10月, 2015年

【収差とは?】

2015-10-30

顕微鏡・マイクロスコープでの観察に必要不可欠なのが「レンズ」です。
その材質や形状は様々ですが、レンズを通して観察する上で、どうしても生じてしまうのが「理想的な結像」と、実際にできる像とのズレです。
この差異のことを「収差」と呼びます。
収差にはレンズの形状(レンズが球状であることなど)に起因するものと、レンズの材質等に理由があるものがあります。
また、1度の観察で1つの収差だけが見られるのではなく、複数の収差が同時に起こることがほとんどです。

【メチレンブルーとは?】

2015-10-29

メチレンブルーは、動物細胞の核を見やすくする色素で、1876年にドイツ人化学者・実業家のハインリッヒ・カロが合成することに成功しました。
細胞の染色をするだけではなく、金魚などに発生する「尾ぐされ病」「水カビ病」などの治療を行うための薬剤(メチレンブルーを水に溶かしておき、その中に魚類をしばらく入れておく)としても使用されています。
さらに、活性炭の吸着力評価や、光触媒の性能評価物質、また酸塩基指示薬として使われることもあります。

【ロマノフスキー染色】

2015-10-28

ロマノフスキー染色は、骨髄生検、骨髄穿刺液・末梢血液塗沫などの検体を観察するのに使用される方法で還元したエオシンとメチレンブルーが染料として使われます。
特に、異なる種類の白血球を区別しなければならない場合には、ヘマトキシリン・エオシン染色よりも優れた方法として、よく用いられます。
ロマノフスキー染色の仲間としては、ライト染色、ジェンナー染色、リーシュマン染色、ギムザ染色、メイ・ギムザ染色などがあります。

【エオシン】

2015-10-27

ヘマトキシリン・エオシン染色に使われる染料のうちエオシン(エオジン)は、フルオレセインという蛍光色素を臭素化したものです。
エオシンに染まりやすい組織としては、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒などがあり、これらの組織は「エオシン好性」「好酸性」と呼ばれます。
特に赤血球にはエオシンを強く吸収する性質があり、明るい赤に染まることが特徴です。
なお、ヘマトキシリン・エオシン染色は、ヘマトキシリンの種類、エオシンの種類によって染色結果が異なります。

【ヘマトキシリンとは?】

2015-10-26

ヘマトキシリン・エオシン染色に使われるヘマトキシリンは、アカミノキの心材から抽出されるもので、アカミノキはメキシコ・中米北部などを原産とする植物です。
樹液から取れる染料は安全性が高いため、顕微鏡で観察をする場合の他にも、紙や布を染色するためにもよく使われます。
媒染剤により色調が異なり、アルミニウムの場合には青白色、鉄の場合には青黒色となることが特徴的です。
また、アカミノキの不作などの理由で、染料の供給不足が起こる可能性を常にはらんでいます。

【ヘマトキシリン・エオシン染色】

2015-10-23

ヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色、H&E染色)は病理組織を顕微鏡で観察するために非常に重要な染色法であり、まずはこの染色法で組織の全体像を把握してから、必要に応じて他の染色法を使います。
ヘマトキシリン(青紫の色素)に染まる組織は細胞核、骨組織、軟骨組織の一部、漿液成分などであり、これらを「ヘマトキシリン好性」あるいは「好塩基性」と呼ばれます。
またエオシン(赤~ピンクの色素)は、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒などを染色するのに適しており、これらによく染まる組織は「エオジン好性」「好酸性」と呼ばれます。

【ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫】

2015-10-22

ギムザ染色によって診断される悪性リンパ腫は、相対的に治癒する可能性が高いと言われる「ホジキンリンパ腫」と、全身に広がる可能性がより高い「非ホジキンリンパ腫」に分類されます。
日本の悪性リンパ腫の患者さんの10%程度がホジキンリンパ腫、90%程度が非ホジキンリンパ腫と言われており、その分類のためには腫れているリンパ節や腫瘤などの組織を採取し、顕微鏡で観察するという方法が必要になります。
ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫とも、顕微鏡を用いた観察によって、さらに数種類のリンパ腫に分類され、治療法の決定などが行われます。

【ギムザ染色とメイ・ギムザ染色】

2015-10-21

ギムザ染色は、現代でも急性白血病や悪性リンパ腫が疑われる場合に、骨髄塗沫標本を作製し観察して診断を行うための方法として広く使われています。
もとはマラリア原虫を染色するための方法として開発され、グスタフ・フォン・ギムザというマラリア研究者が開発したものでした。
ギムザ染色に比べて、鮮やかに染色できる方法にメイ・ギムザ染色という方法もあり、メイ・ギムザ染色のほうがアズール顆粒、特殊顆粒などをより鮮やかに観察できることが知られています。

【放線菌とは?】

2015-10-20

2015年10月に発表されたノーベル医学生理学賞を、日本人研究者である大村智氏が受賞したことで「放線菌」という言葉が広く知られるようになりました。
放線菌はグラム染色を行うと陽性を示す真正細菌のうち、糸のような形状になるものを指す言葉であり、もとは「放射状に菌糸が伸びる」という特徴を表すものでしたが、現代の分子系統学にもとづく分類では、桿菌や球菌も放線菌に含められるようになっています。
放線菌には抗生物質を生み出すものが多いという特徴があります。

【抗酸染色が有効な菌とは?】

2015-10-19

日本でも感染者の増加が問題とされつつある結核は、結核菌によって引き起こされる病気ですが、結核菌の検出のためには抗酸染色が有効です。
また、ハンセン病を引き起こしてしまうらい菌も同様です。
もしも結核が疑われる患者が病院を受診した場合、患者の痰を抗酸染色し、結核菌がどの程度含まれているか、今後、その患者から他の人に感染する可能性がどのくらいあるか、といった検査が行われます。
抗酸染色を行うことが、検出のために有効な菌としては、ウシ型結核菌やヨーネ菌などもあります。

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