6月, 2016年

【封入】

2016-06-30

顕微鏡で観察したい試料を、固定、染色などの処理によって観察しやすい状態にしたのちに、封入剤を使い、カバーガラスの下に封入します。
封入剤としては、水や等張液、緩衝液などが使われることもありますが、より蒸発が遅いグリセリン、乳酸、ラクトフェノールなどが使われることもあります。
また、観察者は対物レンズを通して、カバーガラスの上から観察をすることになるので、カバーガラスの厚みや材質は「試料の見えやすさ」に大きな影響を与えます。

【染色】

2016-06-29

顕微鏡での観察がしやすいように、組織や細胞などに色素を用いて色を付ける技術のことを「染色」と呼びます。
透明な細胞組織などは、そのまま観察しても見づらいかもしれませんが、細胞質や核などに反応する色素を用いて染色を行うことで見分けがつきやすくなります。
色素として用いられるものには、たんぱく質や拡散など特定の分子と反応しやすいものや、特定の酵素と反応すると発色するものなど、様々な特徴を持つ物質があります。

【プレパラートの保存期間】

2016-06-28

プレパラートを作成するときは、顕微鏡で観察する間だけ使用できればいいのか、それとも観察後に保存できる状態にするのかを事前に決めておきます。
一時プレパラートは、観察後には保存しないもので、水や緩衝液などを用いてプレパラートを作成します。
一方で、観察後も保存するものはプレパラート作成時に固形化をする封入剤を用いて作成します。
また数年程度の保存を目的とした半永久プレパラートは、蒸発しにくいマウント液を用い、カバーガラスの縁をマニキュアなどで封じて作成します。

【固定とは?】

2016-06-27

生物の細胞や組織などが、時間が経っても腐敗・劣化しないようにする作業を「固定」と呼び、固定を行うことであらゆる生化学反応は停止することになります。
固定を行うのは、試料をできるだけ自然の状態に近いまま、維持することが目的です。
そのためには、試料に内在する生体分子、タンパク質分解酵素を不活化させる、細菌などの脅威から試料を守る、強度・安定性を向上させるなどの条件を満たすことが、固定という作業には求められます。

【プレパラートとは?】

2016-06-24

光学顕微鏡を使って試料を観察するときには「プレパラート」を作成し、観察しやすい状態にします。
小学校や中学校の理科の実験で、スライドグラスの上に試料をのせ、カバーガラスで覆うという方法でプレパラートを作成した経験がある人も多いでしょう。
実は、プレパラートにも様々な作成方法があり、試料の種類や、観察の後に保存をするかどうかなどによって、様々な種類のプレパラートが作成されていきます。
生物の細胞・組織などは時間が経てば変質することもありますので、固定という作業を行うこともあります。

【ミクロトームの種類】

2016-06-23

ミクロトームには光学顕微鏡、電子顕微鏡のそれぞれで観察するのに適したものがあります。
光学顕微鏡で観察する試料をミクロトームで切り出す場合には、鋼鉄製の刃が使用されることが多いです。
いっぽう電子顕微鏡で観察する試料は、ガラスナイフ、サファイヤナイフ、ダイヤモンドナイフなどで切片へと加工されます。
刃が固定されており、試料を動かして切片を作るタイプのものと、試料を固定しておき刃を動かして切るタイプのものがあります。

【ミクロトーム】

2016-06-22

試料を薄切りにするために使われるのが、ミクロトームと呼ばれる道具です。
たとえば、光学顕微鏡で試料を観察する場合、高い倍率に設定すると被写界深度が浅くなります。
そのため、試料を薄切りにすることで、浅い被写界深度でも観察しやすい範囲に試料を配置できるようにする必要があるのです。
また、透過型電子顕微鏡で観察する場合は、試料を薄切りにして、電子線が透過しやすいようにしなければなりません。
このような場合に、ミクロトームで試料を薄切りにすることが必要なのです。

【包埋】

2016-06-21

光学顕微鏡で観察するとき、試料を薄切りにしてプレパラートを作成し、観察する場合があります。
しかし、試料が水分を多く含んでいて柔らかいといった場合には、薄切りにする作業が難しい場合もあります。
そのときには、試料を固定し、パラフィンや合成樹脂で試料を固めることで、作業が行いやすくなります。
試料を固める作業を「包埋」と呼び、包埋と行った後に、ミクロトームなどの道具を使って試料を薄切りにすることが行われます。

【試料の腐敗を防ぐ方法】

2016-06-20

細胞や組織などの水分・脂肪球などを固体に置き換え、腐敗が進行しないようにする技術(たとえばパラフィン切片法やセロイジン切片法など)は、昔から使われてきました。
透過型電子顕微鏡で観察する場合には、エポキシ樹脂などを用いて試料に含まれる水分・脂肪分を置き換える方法が使われていましたが、その方法が光学顕微鏡用に使われることも増えました。
エポキシ樹脂を用いる方法に比べて、より大きな標本を処理できるようになったのは、プラスティネーションという技術だったのです。

【試料の腐敗を防ぐプラスティネーション】

2016-06-17

生物の細胞、組織などを観察したい場合は、時間が経つにつれて細胞・組織などの腐敗が進む点に注意が必要です。
腐敗を防ぐための1つの手段として「プラスティネーション」という方法があり、これは標本に含まれる水分や脂肪分を合成樹脂に置き換えるものです。
細胞組織などの構成をほぼ保ったままの状態で、腐敗しない標本を作り出す技術であり、顕微鏡で観察できるほか、素手で触ることもできるというメリットもあり、注目を集めています。

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